手元の理科年表を見ると、今日の早朝1時36分となっています。
このことから分かるように、二十四節気(にじゅうしせっき)の区切りは夜中の0時ではありません。何故かというと、地球から見た太陽の向きを正確に24等分しているためです。
【二十四節気は地球から見た太陽の向きで決まる】
地球が太陽の周りを公転してるのはいうまでもありませんが、地球から見た太陽の通り道を黄道(こうどう)と言います。
ちなみに、月の通り道は白道(はくどう)といい、黄道と白道は約5度傾いています。
黄道をイメージするのはチョット難しいです。私たちにとっては太陽は1日に360度回ります。地球が自転しているからです。
でも、黄道はそれとは違います。もし地球が自転していなければ、太陽は1年間かけて私たちの周りを360度回って見えるはずです。その時の通り道と考えたら良いと思います。
その黄道を24等分して、その点に太陽が来る瞬間の日時が二十四節気です。
ちなみに0度が春分、180度が秋分、大暑は120度です。
ついでに一覧を出しておきます。
小寒:285度、2009/01/05 14:14
大寒:300度、2009/01/20 07:40
立春:315度、2009/02/04 01:50
雨水:330度、2009/02/18 21:46
啓蟄:345度、2009/03/05 19:48
春分: 0度、2009/03/20 20:44
清明: 15度、2009/04/05 00:34
穀雨: 30度、2009/04/20 07:44
立夏: 45度、2009/05/05 17:51
小満: 60度、2009/05/21 06:51
芒種: 75度、2009/06/05 21:59
夏至: 90度、2009/06/21 14:46
小暑:105度、2009/07/07 08:13
大暑:120度、2009/07/23 01/36
立秋:135度、2009/08/07 18:01
処暑:150度、2009/08/23 08:39
白露:165度、2009/09/07 20:58
秋分:180度、2009/09/23 06:19
寒露:195度、2009/10/08 12:40
霜降:210度、2009/10/23 15:43
立冬:225度、2009/11/07 15:56
小雪:240度、2009/11/22 13:23
大雪:255度、2009/12/07 08:52
冬至:270度、2009/12/22 02;47
そのほかに雑節としていくつかあります。
有名なのは土用でウナギを食べる日ですね。年に4回あります。
土用:197度、2009/01/17 08:57
土用: 27度、2009/04/17 06:04
土用:117度、2009/07/19 22:12
土用:207度、2009/10/20 15:22
【平気法と定気法】
実は二十四節気も雑節も2通りありまして、平気法と定気法といいます。上記のはすべて定気法の二十四節気および雑節です。
定気法は、太陽の角度を24等分したもので、平気法は、1年の時間を24等分したものです。
一緒じゃないかと思われるかもしれませんが、地球の公転は楕円であるため、季節により太陽の動くスピードが違ってきます。夏頃は遅く見え、冬は速く動いて見えます。
平気法と定気法では冬至が一致して、あとは最大3日ちかくまでズレることがあります。
私が実際に扱ったことがあるのは定気法だけで、平気法を使って何かをする例を見たことがありません。
この二十四節気が作られる前は「太陰太陽暦」でした。それは、月の動きに合わせて一ヶ月を決めるが、それではどんどん季節とずれていくため、何年に1度か閏月をいれて、季節を合わせる暦です。
毎年11日程度ずれていくため、季節に合わせて作業を行う農業には向かない事から、考えられたのがこの二十四節気です。
【二十四節気の正確な計算】
この二十四節気を正確に計算したことがあります。
簡単だろうと思っていたのですが意外と難しかったです。
ネットで調べてみたら、近似式なら沢山転がっていました。しかし、近似式では1時間程度の誤差がありました。それくらい良いじゃないかとおもいましたが、依頼者からは分単位で計算して欲しいといわれました。
いろんな計算式を探してみては確かめましたが、そんな正確な物は見つかりませんでした。
それで、仕方なく、正確に計算することにしました。
NASA(アメリカ航空宇宙局)のジェット推進研究所(JPL)というところが出しているDE405というデータがあります。
http://ssd.jpl.nasa.gov/
このデータを使って太陽系の主な星の正確な軌道計算をするライブラリもいくつか公開されていました。
これを使えば1秒以下の精度で求められるはずです。
挑戦してみました。
DE405で扱う座標系は「国際天球座標系」という太陽系の重心を基準にした座標系です。それを使って、太陽の位置と地球の位置を計算して、さらにそこから、地球から見た角度を求めるのです。
結果は分単位で丸めるのですが、それにしても、ときどき1分以上の誤差が出ました。
理科年表などで調べてみると、9割以上は分まで正確に求められたのですが、1割近くは1分か2分のズレが生じていました。秒まで求められた資料が入手できなかったため、原因を特定するのが難しく、時間もなくなり原因究明できていません。
でも、理科系としては、正確に求められなかったことは心残りで、いつかまた再挑戦してみたいと思っています。
◇−−−−−−−−−−−−−−−−−−◇
読んでくださってありがとうございます。
できればクリックして応援お願いします。

にほんブログ村ランキング
◇−−−−−−−−−−−−−−−−−−◇
【オタクな話しの最新記事】
現在、二十四節気の各日時の求め方をどうしようかと、悩んでいたところ、このページにたどり着きました。
それで、DE405が使用できる環境を構築しようとしたのですが、
http://ssd.jpl.nasa.gov/
から、ソースを入手して、いざ、make install で、
gcc -I. -I/d1/xebec1/jpl/c/cfitsio -L. -L/d1/xebec1/jpl/c/cfitsio -o baryFase baryFase.o -lbary -lcfitsio -lm -lsocket -lnsl
/usr/bin/ld: cannot find -lsocket
悩んでいます。
ご教授お願いします。
JPLから入手したソースのコンパイルで
socketエラーになってしまいました。
何か、ご教授お願いできますでしょうか?