「我らの不快な隣人
− 統一教会から「救出」されたある女性信者の悲劇」
著者 米本和広

を読みました
統一協会からの強制改宗について、特に拉致監禁の方法を使った脱会屋の手口について、具体的な事例を多く挙げて書かれています。
この本は読み終わるのにかなり時間がかかりました。読んでいると辛くなってなかなか先に進むことができなかったからです。主に通勤電車の中で読んでいたのですが、読んでいるとあまりの残酷さで悲しくて涙が出てしまい、電車の中で泣くのは恥ずかしいから読み進められませんでした。
強制改宗で精神に深い傷を負った兄弟たちを思うといたたまれなくなります。
脱会屋の言うことを信じた親たちは、我が子に対して、人格までも否定する言葉を浴びせ続け、時には何日も食事を与えず、暴力をふるうことさえあるという。一部の父母がそうするのではなく、脱会屋のマニュアルがそのようになっているから、多くの父母が脱会屋のマニュアル通りに行動するらしい。
世の中で辛いことや孤独になっても、親が味方してくれると思えば勇気が出るものですが、両親と兄弟から、何日も何ヶ月も罵声の言葉を浴びせられr、満足な食事も与えてくれず、時には暴力をふるわれるというほど絶望的な事は無いでしょうね。
その精神的ショックのためPTSDになって、統一協会からは脱会しても、何年たっても精神不安定で社会復帰できないでいる人も少なくないそうです。
そういえば、私の大学で拉致監禁に遭って脱会した兄弟も、スポーツ万能のさわやかな学生でしたが、監禁から解放された後は、無精ひげを伸ばし笑顔もなく、声をかけても「しばらく一人で考えたい」というだけで覇気が無くなり、その後、大学も中退したと聞いています。両親も誰も信じられなくなっていたのでしょうか。
拉致監禁では、信仰を捨てるだけでなく、同時に親兄弟に対する憎しみを持つ人も少なくないそうです。
たしかに、拉致監禁による強制改宗を受けた人は、親兄弟が、自分を信じてくれず、対等な一人の人間として扱ってくれなかった恨みを持つことが多いだろうと感じます。
拉致監禁という残酷な方法が無くなることを切望します。
それから、著者の米本氏は、統一協会の教理や活動については決してよく思っている訳では無いようですが、そんな統一教会に対してでも、非人道的な拉致監禁に対して批判をされるところが、公平で正義感のある方だと感じます。
特に、(全面的では無く、一部ですが)統一教会を擁護する発言は非常に勇気の必要なことで、すばらしい方だと感じます。
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posted by 理科系おじさん at 23:20
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